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経営コンサルタントの国家資格『中小企業診断士』とは

2016/04/28

経営コンサルタントの国家資格です
 日本の企業の99%以上は、中小企業基本法の定めによれば、中小企業と定義されます。つまり、日本の経済を支えているのは「中小企業」であると言っても過言ではありません。しかしながら、中小企業は、経営資源の確保に当たって、さまざまな制約や問題を抱えており、それらを支援するために「中小企業支援法」の下で、さまざまな対策を国が講じています。

 こうした、中小企業支援策の一つが「中小企業診断士」の資格制度です。これは、中小企業が経営に関するさまざまな相談をしたいと考えた時に、助言を受ける人の選定を容易にするために、一定レベル以上の能力を持った人を経済産業大臣が登録するという制度です。
 つまり、中小企業診断士(以下、診断士)の有資格者は、日本の多種多様な企業に対する経営コンサルティングを行う一定レベル以上の能力を持っていることを経済産業大臣に認められた者であり、経営コンサルタントの国家資格とも言われています。
診断士の業務内容
 診断士は、主に下記のような業務を行っています。

・企業の成長戦略の策定やアドバイス
・行政・金融機関等とのパイプ役
・中小企業施策の適切な活用支援

 診断士の試験を管轄する「中小企業診断協会」の調査によれば、有資格者が行っている業務内容は、下記のグラフのようになっています。

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 また、独立せずに企業内診断士として活躍している人も大勢います。現在の激しく変化する経営状況の中で、自社の強みを分析し、それらを環境に対してどのように活用していくかを考え、実践できる人材は、業界・業種を問わず求められています。もちろん、資格を持たなくてもそういった活動は行うことができますが、診断士の資格を取得し、多種多様な企業に対してアドバイスができる能力を体系的に修得することにより、より客観的かつ具体的な提案や業務を行うことができるようになるのです。

 そもそも、経営コンサルタントにはどのような能力が求められるでしょうか? まず、当然ながら「経営に関する基本的な知識」は必要となります。そして、その知識をただ暗記するのではなく「理解」していること、そして状況に合わせて「応用」できること、さらにはコンサルティングを行う企業に対してわかりやすく「プレゼンテーション」出来ることが求められます。こうした知識+理解力・応用力・プレゼンテーション力の三つの力が一定レベル以上あるかどうかを、試験では問われるのです。

 こういった能力は、業界・業種・職種を問わず活用することができます。例えば、営業職であれば、さまざまな顧客のニーズを的確に捉え、それに適切に応える力が求められますが、診断士試験の科目の中では、製造業から小売・サービス業までの様々な企業について学習しますので、顧客企業の業界・業種を問わず、適切な情報提供を行うことができます。また、顧客のニーズに応えるために、社内の組織を整備したり、製造の現場と情報共有を行ったり、IT化を推進したりといった、いわば社内向けの活動が求められることも多々あると思いますが、それら一連の進め方についても診断士は学習していきますし、2次試験においては、事例企業に対する具体的なコンサルティングレポートの作成が問題となっていますので、わかりやすい言葉で伝える力まで修得することができます。

 このように、診断士の資格を得ることで、業種・業態・所属部門を問わず、あらゆるビジネスシーンで活躍できる人材として企業から高い評価を受けることができます。最近では、社員のスキルアップを目的として、診断士の資格取得を奨励する企業も増えているようです。決して簡単な試験ではありませんが、それだけに、やりがいがあることは間違いありません。
診断士試験の概要
 診断士になるには、次の2通りの方法があります。
 いずれの方法も中小企業診断士第1次試験は合格する必要があります。

(1)中小企業診断協会が実施する試験に合格し、実務補習を修了する(または実務要件を満たす)方法
(2)中小企業診断士養成課程を修了する方法

日本マンパワーは経済産業省令第79号に基づく実施登録機関です。診断士養成課程についてはこちらをご覧ください。

 なお、養成課程については開講時期や募集定員などに制約条件がありますので、ここでは試験の概要をご案内します。

【1次試験(マークシート筆記)】

受験資格:
 年齢、性別、学歴等に制限はありません

試験実施日:
 例年8月上旬の土曜及び日曜

合格発表:
 例年9月初〜中旬

試験地:
 札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡の7地区

試験科目:
 企業経営理論(90分)
 財務・会計(60分)
 運営管理(90分)
 経営情報システム(60分)
 経済学・経済政策(60分)
 経営法務(60分)
 中小企業経営・中小企業政策(90分)
 ※各科目とも100点満点

合格基準:
(1)全科目での合格の基準は、総得点の60%以上、かつ、1科目でも満点の40%未満がないこと
(2)科目別合格の基準は、満点の60%以上であること

合格有効期間:
 科目合格の有効期間は3年間、各科目合格の有効期間は2年間

【2次試験(記述筆記)】

受験資格:
 当該年度またはその前年度の1次試験全科目合格者

試験実施日:
 例年、10月下旬の日曜日
合格発表:
 例年、12月上旬
試験地:
 札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡の7地区

実施方法:
 中小企業診断士となるのに必要な応用能力を有するかどうかを判定することを目的とし、診断及び助言に関する実務の事例並びに助言に関する能力について、筆記試験を行います。

合格基準:
 筆記試験における総得点数の60%以上で、かつ、1科目でも40%未満がないもの

【2次試験(口述)】

受験資格:
 当該年度の2次(筆記試験合格者)

試験実施日:
 例年、12月上〜中旬の日曜

合格発表:
 例年、12月下旬

試験地:
 札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡の7地区

実施方法:
 中小企業診断士となるのに必要な応用能力を有するかどうかを判定することを目的とし、診断及び助言に関する実務の事例並びに助言に関する能力について、口述試験を行います。

合格基準:
 口述試験における評定が60%以上のもの


試験の詳細はこちら

2次試験合格者は、15日間以上の実務補習もしくは実務従事を経て、中小企業診断士としての登録申請を行うことができます。